
今回、寒いけど頑張って冬のパリに行っちゃう目的の1つが、ガレット・デ・ロワを本場で食べたいというものだったからなのです。いっとき日本でも百貨店がクリスマスケーキと一緒に売り始めて、定着するかと思いましたが、あっさり百貨店は撤退。でも個人のパティスリーとかでは結構売られてきていますね。そんな地味なブームが来る前に、実はネットにあったレシピで自分で作ってみたんですが、納得のいかない出来上がりに。なんせ、食べたこともないものを作るという、正解が分からないままの作業。とにかく本場で本物を食べたいって思いが強くなり、とうとう決行された1月のパリ旅行でした。
ガレットを食べる日とされるエピファニー[公現祭]は1月6日。でも早いところはクリスマス頃から売り始めて、1月いっぱいぐらいは売っているというので、滞在中にあちこちあちこち食べてみようという企み。
さて、いの一番に買ったのは……ピエール・エルメ。間違いなくリッチで美味しいであろうと。普通は大きなサイズを数人で切り分けて、誰かのところにフェーブが入ってる…という代物ですが、お一人様サイズのアンディビデュエルというのもあります。ただしフェーブは入ってません。さっそく切り分けてみる。直径は10センチぐらいかな? お一人様用とは言っても、私には二食分…。

中のアーモンドクリームは、水分たっぷりのまさに“クリーム”で、私が知ってるガレット・デ・ロワにはなかったクリーミーさ。今までは「何でこんなパサついたものをクリームというのか?」不思議だったのですが、なるほどです。そのクリームは複雑な味わいで、お酒の香りも濃厚でリッチなクリーム。正直、知っていた味とは違いすぎて戸惑います。違いすぎて、後から思えば美味しかったという、とりあえず衝撃が勝った体験となりました。
その2日後、サンジェルマン・デ・プレで行われたチャリティーのガレット・デ・ロワ販売会に行ってみました。大きなガレットを切り分けてくれて、一切れ2ユーロで買えました。小さな男の子もお手伝いする姿が微笑ましい。クリームはやっぱりしっとり。それにしても、焼きっぱなしのパイ菓子だからか、ガレット・デ・ロワって扱われ方がぞんざい(笑)。持ち帰り用の紙袋も、平たくじゃなくて立てて入れるスタイルも見かけました。




そしてその次に食べたのは、写真はないのですがパリの友人と食べたダロワイヨのものと、最近マドレーヌが人気のジル・マーシャルのガレット。ここら辺まで食べすすめてきて、だんだんガレット・デ・ロワの一般的な味が分かってきましたよ。分かってくると、エルメさんのガレットがいかにリッチかが分かってきます。
また数日後、これは絶対食べてみようと思っていた下の写真のセバスチャン・ゴダール。セバスチャン・ゴダールはル・フィガロ紙で今年の一番美味しいガレットに輝いたもの。確かに美味しい。サクサクのパイ生地も、アーモンドクリームも。多分ここのが日本で食べてきた(自分で作ってたのも含め)アーモンドクリームが硬めのガレットに一番近かったです。


しかし、私の中で一番美味しいガレット・デ・ロワだったのは、なんとアパルトマンの近所のブーランジェリーで買ったものでした。夕方に買った時点でまだほんのり温かい作りたて。それを夕飯の後に食べたんですけど、まぁ、美味しいのなんのって。どんなブランドも作りたてにはかなわないのか? まぁこのブーランジェリー、バゲットもメッチャ美味しいんですけどね。

とにかく、この時期街はガレット・デ・ロワだらけ。その販売スペースが必要なのか、普通のケーキ類が少なかった気が…。そして日本に帰る日には冷凍食品専門のスーパー、ピカール[PICARD]で売っていた冷凍のガレットを日本にお持ち帰り。焼いたやつの冷凍かと思ったら、焼く前の冷凍だった。当然か。こちらはクリームが杏仁豆腐のような香りがしました。そりゃ、どっちもアーモンドですからねぇ。
念願のガレット・デ・ロワの食べ比べ、大変楽しゅうございました。
余談ですが、実は初めて入ってみたPICARDだったんですが、ちょっと目移りするほど美味しそうなものがいっぱいで、次回のパリ滞在はここをもっと研究しなくちゃ…!と思いました。でも最近、日本のイオンでもPICARDが売ってるみたいですね…。
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